音楽で空間をデザイン|お客様の心に寄り添った場所作りを


サウンドクリエイター の山内結です。
近年、ビジネスにおいてデザインやクリエイティブの重要性が注目されてきました。
その中でも今日は、音楽における空間デザインについて一緒に考えていきたいと思っています。
早速ですが、みなさん。空間デザインというと何を思い浮かべますか?
空間の大きさや形、彩るためのインテリア・・・などといった、目に見えるものが真っ先に思い浮かぶのではないでしょうか。
しかし、それと同じぐらい『音楽』も大事なんです。
なぜなら、空間とは目に見えるものだけでできているわけではないからです。
余白や空気感、音、香り、全てを含めて空間デザインだからです。
イタリアンのお店でJ-POPの音楽が流れている不自然さ
私の実体験をお話しましょう。近所でも評判の、イタリアンレストラン。
お店の内装やインテリア、音楽、お食事はもちろんのこと、全てにおいて素晴らしく、コンセプトがしっかりとしていて、素敵なお店だなと思いよく足を運んでいました。
ある時、いつものようにそのお店へいくとすぐに違和感を感じました。
なぜかJ-POP音楽が流れているのです。
いつものクラシックはどこへ行ってしまったのだろう!?
J-POPが悪いわけではなく、「上質なイタリアン」というコンセプトがお店のウリだったはずなのに、音楽だけがコンセプトに沿っていない。
せっかくの内装も装飾品の絵画も、ただただシュールな光景にしか見えませんでした。
そして気分が乗らないからでしょうか、お料理もいつもより美味しく感じなくなってしまったのです。
大切なのは、ユーザーが望む空間を想像すること
可愛い雑貨で溢れるお店に、渋いロックンロールが流れていたらどうでしょう?生け花教室で、クラブミュージックがかかっていたら?
フィットネスクラブで民謡が流れているなんていうのも・・・
想像するだけで笑ってしまいそうですね。
家具の配置や空間に合う壁紙を考えるように、音楽もまたこの雰囲気に合う音楽はどういったものか、と想像することが必要です。
ここでポイントなのは自分が好きだからこうしたい、という気持ちだけでは空間デザインはできないということ。
コンセプトに沿った上でこうしたい、ならいいのです。
大事なのは、ユーザーやお客様が、この空間に足を踏み入れた時にどのような気持ちになって欲しいか、どんな体験をしていただきたいのか。
相手目線になって考える、想像をする。
その想像を上回った時に記憶に残る体験を提供することができるのです。
一歩外に出れば沢山の空間で溢れています。
少し意識を変えて見ると、その空間がまた違う角度で見ることが出来るでしょう。
音楽だけではなく、香り、ディスプレイなど5感をフル活用して様々な「空間デザイン」を感じてみてくださいね!