最近、Webマーケティングを本格的に導入したいという企業様が増えております。
マーケティング手法において「ペルソナ」がございます。
よく耳にするとおもいますが、実際には内容を理解できてない方も多くいらっしゃるのではないかとおもいます。
今日は、ペルソナについてお話をさせていただきます。
Webサイト制作とペルソナの関係はWebマーケティングおいて重要です。
例えば、下記のような不安を抱いたことはないでしょうか?
「ホームページをリニューアルしたいけど失敗したくない!」
「メインビジュアルが上がってきたけどデザインの根拠は?」
「ペルソナって聞いたことあるけど意味あるの?」
MIRAIでは、コーポレートサイトやLP(ランディングページ)制作時に、お客さまとの「ズレ」をなくすために、デジタルマーケティング戦略の一環として、ペルソナ設定からカスタマージャーニーマップ作成のワークショップを行い、Web戦略を策定しています。
ビジネスの伴走者として数多くの企業をご支援させていただいた経験から、今回はWeb集客でのペルソナの必要性についてお話します。
目次
顧客が選ぶ時代に
企業がTVCMなどのマスメディアを使って、不特定多数の顧客に対して、一方的な情報発信をするだけではモノが売れない時代になり、個人個人に合わせたアプローチが求められるようになってきました。
Google検索すれば自分に合った情報に辿り着き、Instagramを開けば興味のある写真や動画の投稿が表示され、Amazonで買い物をすればパーソナライズされた商品を勧められます。
スマートフォンの普及をはじめ、テクノロジーの発達により、一人ひとりの趣味趣向は多様化し、今や決定権が顧客にある時代が到来しています。
企業にとって、顧客との最初の接点(タッチポイント)はWebサイトやSNSです。
検索して表示されたページの中から、「これだ!」と思ってリンクを押してみて、求めていたものとは違う情報が表示されると、顧客は離脱してしまいます。
逆に自分が求めている情報が表示されると、興味を持って滞在してくれるでしょう。
つまり企業は、顧客のことを考え、顧客に合わせ、顧客との関係を構築するために、徹底したコミュニケーションをデザインする必要があります。
ペルソナ設定のワークショップを通じて、顧客の行動や感情を理解し、
顧客ファーストなUI/UXデザイン設計に活用しましょう。
ペルソナとは
ペルソナとは、自社の商品・サービスを購入する理想の顧客像のことです。
具体的には、名前・性別・年齢・住所エリア・家族構成といった基本的な属性だけでなく、職業・年収・性格・生活パターン・趣味・使用デバイス・顔のイメージに至るまで、細かく解像度を高めて設定します。
まるで本当に存在しているような人物をイメージすることで、
自社の商品・サービスをどのように感じるのかなど、顧客理解ができ、コミュニケーション設計をはじめとする施策を練ることができます。
ペルソナとターゲットとの違い
ターゲットとは、「20代男性」「パパママ世代」「ご年配の方」のように幅をもたせたグループ層のことです。
ペルソナはより具体的で、人物の属性項目数を多く設定するので、リアリティのある顧客のニーズや課題が見えてきます。
例えば「女性向けの腕時計」という商品を売る場合に、「30代の女性」というターゲット設定をしただけでは、届けたい顧客が既婚者なのか、主婦なのか、営業職なのか、腕時計にかけられる予算はどのくらいなのか、どんな雑誌を読んでいるのかなど、曖昧な要素が多く、企業側と顧客の間にズレが生じやすくなってしまいます。
したがってペルソナ設定をすることで、趣味趣向や価値観、ライフスタイルなどを把握できた方が、顧客とのコミュニケーションが円滑になり、エンゲージメントを高めやすくなります。
ペルソナの必要性・メリット
ペルソナの概要について説明してきましたが、ここではペルソナが必要な理由とそのメリットをご紹介いたします。
ペルソナ設定がなぜ必要なのか。
それはペルソナを明らかにすることで、顧客理解ができるからです。
好きな人がいたとして、その人のことが分からないのに、自分を恋人に選んでもらえるはずがありません。
まずは顧客のことを知り、そこから戦略の方向性や具体的な施策を考えた方が成功確度は高まります。
ペルソナのマーケティングにおける効果は大きく、「Webサイト制作」や「新しい商品やサービスの開発」、「マーケティングや広告展開の戦略」、「社内共有ツール」に活用することができます。
活用範囲は広いペルソナですが、設定をすることによるメリットは主に以下3点が挙げられます。
1. 顧客目線で考えられ顧客ファーストが実現されやすい
2. 担当者間でペルソナの認識を統一し共有できる
3. 顧客理解によりインサイトが明らかになる
それぞれ確認していきましょう。
顧客目線で考えられ顧客ファーストが実現されやすい
企業側の都合による一方的なコミュニケーションでは顧客に違和感や嫌悪感を持たれることも少なくありません。
昨今におけるコミュニケーションでは、顧客のニーズを的確に捉え、「企業目線からの脱却」と「顧客からの逆目線」が重要です。
ペルソナ設定をすることで、企業側や制作者の好みや都合ではなく、顧客からの逆目線になって議論や意思決定ができるようになります。
また、実際の顧客にも刺さりやすいコミュニケーションや商品・サービス開発が行えます。
Webサイト制作時には、どのようなアプローチが好まれるか、いつ情報を発信すればユーザーに届きやすいか、などのUI/UXが想定でき、コンテンツマーケティングにおいても、顧客を理解することで、より価値のあるコンテンツを企画できるので、ファン獲得につなげることもできます。
実際にWebサイトでは、ファーストビューのキャッチコピーを変更するだけで、来店予約のCVRが改善されることは珍しくありません。
担当者間でペルソナの認識を統一し共有できる
経営者やマネージャー、営業担当者の顧客像がそれぞれ曖昧であったりバラバラな場合、顧客に対して一貫性のあるコミュニケーションが取れません。
ペルソナを設定し顧客像を明確にすることで、社内の担当者間に共通認識が生まれ、目指すべき方向が明確になります。
また、ペルソナ設定の資料を共有することで、今後入社する新入社員や、プロジェクトに関わるステークホルダーを含めて、認識のズレや時間やコストなどが削減できるので効率的です。
顧客理解によりインサイトが明らかになる
経験豊富な経営者やベテランの営業マンであっても、自社の顧客について意外と、知っているようで知らないことがありますが、逆に顧客自身も自分が何を求めているのかを気づいていなかったりすることもあります。
ペルソナのワークショップをすると、商品・サービスの機能的なメリットだけではなく、顧客が求めていることや、顧客が自社商品を買う理由、などのインサイト(隠れたニーズ)が明らかになり、今まで企業側から分からなかった「気づき」が得られることで、より適切な訴求方法やニーズに合った商品開発を導き出しやすくなります。
例えば、カフェでランチする人は、「食事(機能的なメリット)」だけにお金を払っているのではなく、「心地よい場所で友人と過ごす楽しい時間(情緒的なベネフィット)」の対価としてお金を払っていたりします。
そのようなお店の改善策は、もしかするとメニュー変更や値引きキャンペーンではなく、接客対応や内装の改善が効果的かもしれません。
Webサイトで置き換えると、コンテンツを増やすことに注力するのではなく、まずは「使い易さ」を優先すべきかもしれません。
ペルソナの設定方法
MIRAIでは実際にワークショップを行う際に、最も商品・サービスを購入・利用してほしいメイン顧客(ロイヤルカスタマー)をイメージしていただき、実際の顧客や営業担当者に、インタビューやアンケート調査をして設定します。
▼ペルソナ設定で確認する主な項目例
・名前
・年齢
・性別
・職業
・家族構成
・居住エリア
・趣味
・主要デバイス
・主な情報源
・何のキーワードで検索をするのか
・サービスを検討するきっかけ
・どのような体験を求めているのか
・意思決定に重要な要素は何か
・不安要素は何か
※BtoBとBtoCで項目は異なります
「これも必要なの?」と思うかもしれませんが、よりリアリティのある項目設定をすることで、より適切な訴求方法を仮説立てられるようになります。
ペルソナ設定の注意点
ペルソナ設定の精度は、マーケティングの成功に大きく関わります。
注意したいポイントについて確認しておきましょう。
企業都合の顧客像にしない
ペルソナ設定のワークショップでは、つい自社の商品・サービスを選んでもらいたいという気持ちから、企業側の一方的で都合の良い方向へ偏った意見が出ることがあります。
商品・サービスを求めていない人や存在しない人をペルソナ設定してしまうと、マーケティングの効果が得られないので注意が必要です。
そもそも顧客理解をすることが目的なので、「顧客だったらどのように行動するのか」という逆目線で考えましょう。
先入観を持たず客観的に
業界に長い人ほど経験の豊富さゆえに、顧客イメージに対する思い込みが強くなりがちです。
ペルソナ設定には、思い込みを捨てフラットな気持ちで臨みましょう。
客観的なデータとして、検索エンジン、SNSでの反応調査や、既に公開されているアンケートの結果や分析結果(政府やシンクタンクのデータ)を参考にする方法もあります。
定期的にペルソナを見直す
ペルソナ設定が完成してそれで終わりということではありません。
時代が変われば、業界に関わらずどんな市場も、情報収集の方法や使用するデバイスも、顧客の趣味趣向も、求められるサービスも日々変化し続けます。
データを基に分析・見直しをして、定期的にバージョンアップさせましょう。
まとめ
マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。
マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることであるP.F.ドラッカー
ドラッカーの理論に基づき、企業が顧客に選ばれるためには、
ペルソナを通じた顧客理解をすることが重要です。
弊社では、これまでにペルソナのワークショップを通じて、多様な顧客の悩みやニーズを掘り起こし、顧客ファーストなコミュニケーション設計を実装して参りました。
ワークショップを終えて「楽しかった!」「発見があった!」などの声も多く、「BtoB」「BtoC」のビジネス形態や業界・業種に関わらず、様々なお客さまに実践していただいております。
Webサイトのリニューアルや、集客のためのLP制作に役立つデジタルマーケティングの活用事例など、興味がある方はお問い合わせください。